古上織蛍の日々の泡沫(うたかた)

歴史考察(戦国時代・三国志・関ヶ原合戦・石田三成等)、書評や、        日々思いついたことをつれづれに書きます。

大河ドラマ『真田丸』 第37話 「信之」 感想

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前回のエントリー

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 今回は、関ヶ原の戦いの後日譚及び昌幸・信繁が九度山に配流されるまでのエピソードです。いくつか感想を。(といっても、別に今回のあらすじをなぞるようなものではありませんので、すいません。)

 

1.まず、清正が三成の妻を匿ったエピソードはもちろん三谷フィクションですが、全く意味不明です。何か作者には作者なりの意図があるんでしょうけど、はてしなくどうでもよいです。

 

2.三成の最期のシーンはシンプルで良かったです。特に干し柿エピソードなどやられたら最悪(おそらく以前の回の細川忠興干し柿エピソードと繋げるでしょうから)でしたので無かったのは良かったです。関ヶ原の戦いもそうですが、省略すればするほど、ほっとするというか、もう脚本家は余計な事書かなくていいよ、という心境に達してしまいました。

※参考エントリー↓(三谷版ストーリーでは柿を干し柿にしています。)

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3.本多忠勝を演じる藤岡弘、さんの演技は良かったです。

 

 以上です。正直、もはや各回各回の感想を言っても仕方なく、前回の第二次上田城合戦のショボさと、関ヶ原の戦いの省略が、この『真田丸』というドラマの全てといってよいかと思います。「真田家視点」だから関ヶ原の戦いは省略する、というのは一見もっともそうですが、このドラマだけには当てはまりません。なぜなら、このドラマは第2部「大坂編」から信繫をカメラとして豊臣家メインのストーリーを延々と続けていたからです。

 

 第2部以降の主人公は信繫に見えて実際には、彼はこのドラマのカメラマンやレポーターの役割に過ぎませんでした。そして、信繫カメラを通じてメインに映し出していたのは豊臣秀吉であり、石田三成等豊臣家の人々だったのでした。

 

 これだけ、豊臣秀吉石田三成等をメインに描いて(しかもメインで描きながら全く好意的ではなく、三成に至ってはフィクションを混ぜ込んでまで貶めようとして)、最後は「真田家視点」だから関ヶ原の戦いを省略するというのは、自分が作ったドラマの構成を自ら崩壊させているのに過ぎませんが、個人的にはこのドラマの構成の内容自体が最悪なもの(なぜ「最悪」なのかは過去の感想及び以下のエントリーで書きました)↓

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ですので、最悪のドラマ構成を脚本家が自ら崩壊させてご破算にしようと、最早どうでもよいですね。

 

「愛の反対は無関心」といいます。もうこの『真田丸』というドラマも、今後の『大河ドラマ』の方向性についても関心はなくなりましたので、今回で視聴終了といたしたいと思います。(逆に言えば、これまでは『真田丸』や『大河ドラマ』に対して、もしかしたら、これからまた挽回して良くなるのではないかと、かすかな期待を抱き続けていたんだなあ、と今更ながらに思いました。)