古上織蛍の日々の泡沫(うたかた)

歴史考察(戦国時代・三国志・関ヶ原合戦・石田三成等)、書評や、        日々思いついたことをつれづれに書きます。

大河ドラマ 『真田丸』 第21話 「戦端」 感想

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※前回のエントリーの感想です。↓

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 今回は前半間延びした印象がありますが、後半から沼田を巡る真田信繁本多正信板部岡江雪斎の三者討論会が行われる運びになった辺りから、少し面白くなってはきました。といっても、この三者討論会自体がフィクションなので、あくまで「フィクション」としてはですが。

 

 ここまで三谷氏が、大坂編で真田昌幸をことさらに時代に取り残された愚鈍な人物のように書いてきたのは、この討論会で信繫に花を持たせるためだったかと思うと、なんか溜息が出てきますね。

 実際には、沼田を巡る交渉で真田が有利な条件を勝ち取ったのなら、それは当主昌幸の功績によるものでしょう。信繫は残念ながら特に何もしていません。この辺の経緯は下のエントリーで詳細に考察しました。↓

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 今回は大河ドラマ恒例の『主人公を上げるために、他人の功績を奪って主人公の物とする』モードが発動したということですね。これは大河ドラマでやらなきゃいけないお約束なんでしょうか?脚本家はNHKと契約結ぶ時に、そういう風に必ず書けとかいう契約でも結んでいるのでしょうかね?まあ、昌幸も息子の信繫に功績を奪われるなら、別にかまいはしない、と思うかどうかは知りませんが。

 

 もう一点疑問があります。今回のドラマでは千利休が秀吉に北条との戦をけしかけて、天下総無事のために北条との戦を避けようとする石田三成大谷吉継が利休を警戒するような描写がありましたが、これってなんか史料の裏付けがあるのでしょうか?それとも、三谷氏恒例の「一から十までフィクション」のひとつでしょうか?

 

 突っ込んだら負けだ、という気もしますが、たまには時代考証担当の意見を聞くのか、時折中途半端にマニアックな所が史実を反映していたりするので、モヤモヤしてくるのですね。上記の話は聞いたことがないので、多分フィクションだと思いますが・・・・・・。

 

 フィクションとしては面白いか?というと、まあ次回に行われる(架空の)三者討論会が面白いのかどうか、というところですね。これまた大河ドラマ名物の「主人公が妙ちきりんな理屈を振り回して熱弁し、言っていることが滅茶苦茶なのに、それに対して周囲の人物がなぜか納得してしまって、主人公を誉めそやす(反論した人物は『ぐぬぬ・・・』となる)」というアホな展開にならないことだけを祈ります。

 

※次回の感想です。↓

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