古上織蛍の日々の泡沫(うたかた)

歴史考察(戦国時代・三国志・関ヶ原合戦・石田三成等)、書評や、        日々思いついたことをつれづれに書きます。

大河ドラマ『真田丸』第34話「挙兵」感想

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☆戦国時代 考察等(考察・関ヶ原の合戦、大河ドラマ感想、石田三成、その他) 目次に戻る

※前回の感想です。↓

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 感想と言うか、史実との異同のみ。(なんか、ここまでドラマがああだと、史実との異同の話をしても仕方がない気がしますが、少数ながらドラマと史実との答え合わせをしたくてこの感想ブログを読んでいる方もいらっしゃるようですので、書いてみます。)

 

 いきなり三成が謹慎していますが(このドラマの前回のような大騒ぎをすれば当然ですが)、特にこの時期三成は当然謹慎していませんので、フィクションです。大元の「家康暗殺計画」がフィクションなので、当たり前ですね。

 三谷さんによる、「前回の『家康暗殺計画』はフィクションです」というアナウンスですかね。

 

 三成の謹慎はなぜかすぐ解け、「家康暗殺計画」に怒った七将がそんな処分は生ぬるいと、三成を襲撃するというのもフィクションです。(七将襲撃事件自体はありましたが。)大元の「家康暗殺計画」がフィクションなので、当たり前ですね。

 

 なにやら、三成が清正に耳打ちしていますが、「殿下は、『家康を殺せ』と仰せられた。家康に警戒するのだ!」ですかね。結局、清正は東軍で戦いますので、この耳打ちは効果なかったことになりますが。(秀頼上洛事件への長い前フリでしょうね。)

 

 さて、今度こそ三成が謹慎して、あっという間に時間が経ち直江状になります。前田利長浅野長政による「家康暗殺未遂疑惑」事件がスルーされるのは、尺がないからでしょうか。

 

 直江状は偽書か真書か長らく論争が続いています(私は偽書だと考えています。詳細は↓)が、

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ここら辺は論争になっていますので、脚本家は好きな立場で書くとよいかと思います。

(追記:そういえばこのドラマでは、さりげなく上杉が真田に事前通謀の書状を送っていることになっていますが、そのような話は聞いたことがなく、時代考証担当の丸島和洋先生の著作にもそのような記述は全然ありません(他の大名と同じく七月十七日付の三成を除く三奉行の「内府違いの条々」が真田家にとっても西軍決起の初情報のようです)ので、フィクションだと思われます。)

 

 そして、家康を弾劾した宇喜多秀家がふす間をあけるとそこには三成が。ここ、どこの話なのでしょう。(推測する気もわきません。)

 

 今後の展開ですと、三谷ワールドでは、三成は佐和山から大坂にワープして、人質作戦の指揮をとるのだと思われます。(もちろん、フィクションです。この頃、まだ三成はしばらく佐和山にいて、大坂には不在です。詳細は下の「細川ガラシャの最期について~『霜女覚書』に見る「記憶の塗り替え」をご覧ください。)

 そして、このところ出ていたガラシャが最期を迎えるのでしょう。きりの運命やいかに?

 ※細川ガラシャの最期についての考察は以下に書きましたので、ご覧ください。↓

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※ 第34回までの構成の考察をまとめました。↓

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※第35話感想のエントリーです。↓

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参考文献 丸島和洋『真田四代と信繫』平凡社新書、2015年