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古上織蛍の日々の泡沫(うたかた)

歴史考察(戦国時代・三国志・関ヶ原合戦・石田三成等)、書評や、        日々思いついたことをつれづれに書きます。

『僕だけがいない街』1~4巻 感想・考察(ネタバレです)

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(ネタバレしていますので、ご注意願います。また単行本しか読んでませんので、連載部分は知りません。既に連載で解決済みだよ、という話もあるかもしれませんがご容赦願います。)

 

 三部けい僕だけがいない街』(角川書店)1~4巻を読みました。現在連載されている中で最も面白い漫画のひとつだと思います。


「上手くいかない現実を抱えた青年は、日々もがき続ける。自らの身にのみ起きる【時が巻き戻る】という不可思議な現象すら、青年の不満を加速させていた。・・・だが、それはある日を境に変わった。大きな事件が、青年の周囲を否応なく変化させていく。

「同級生の少女の死」「連続誘拐殺人事件」
「救えなかった友人」「犯人の正体・・・。」

“過去”に起きた出来事に向き合う時、青年の“今”が動き始める・・・!!(1巻裏表紙より)」


 さて、4巻まで読んで気になるのは「真犯人は誰か?」という事です。現状では、現代編で愛梨が疑っている通り市議会議員西園まなぶの可能性が非常に高いです。
 では、過去編で真犯人(西園まなぶ)は(影とかではなく)既に登場しているのか?という話になります。

 おそらく4巻まで読んで、皆さん思うことは「西園まなぶ=八代学(がく)なのか?」という事ではないでしょうか。

 八代学が怪しいと思わせるように、作者もわざと書いてるなーという気がします。

 ・学=がく、まなぶ で名前の漢字が一緒。
 ・小学校の担任なので生徒の動向、家庭の事情をよく知っている。
 ・影になっている真犯人と顔の形が似ている。
 ・ヒロミが男だということを知っている。
 ・過去編で28歳?、現代編では46歳?(現代編の誘拐未遂時に「一見親子にしか見えない」年齢としてはぎりぎり?)
 ・4巻の「加代はもう・・・ 大丈夫だ」という発言が意味深。

 ただ、あまりにも作者が「疑わしく」描いているのでやっぱりミスリードかなあ、と思われます。一番の難点は主人公の悟も、母親も現代編で真犯人の顔見ているんですね。いくら18年経ったからって小学校の時の担任の顔を見て思い出せないってことがあるのか?という疑問が出てきます。しかも、彼が真犯人だとするとかつて容疑者リストに入ってたことになります。仮に小学校の担任が容疑者リストに入っていたとしたら、かなり衝撃的で母親が忘れるという事はないのではないでしょうか。

 やはり真犯人は、過去編において主人公及び母親とはほとんど接触はなく親しいとはいえない程度の「知り合い」でないといけません。
 では、誰なのかというと4巻で出てきたとおり、真犯人は加渡島建設の社長の知り合いな訳ですね。母親はその関係で真犯人を見たことがあるのでしょう。おそらく社長の息子とか親戚なのかなあ、という感じがします。

 

 他に疑問に思った点について考えてみます。

Q1 表紙のカバーと本体の表紙のイラストの意味は?

A1

1巻
(カバー表紙)・・・加代が歩く姿。加代が(この世界では)失踪していないことを示している?
(本体表紙)・・・「残されたランドセル」が加代が誘拐され、失踪したことを示している?

2巻
(カバー表紙)・・・物置に悟と加代。人影はおそらく真犯人。現時点ではこのシチュエーションは描写されていない。
(本体表紙)・・・物置にはランドセル(前巻の表紙から考えると加代の失踪を暗示していると思われる)。人影は加代の母親。つまり、加代失踪後に加代の母親が納屋を見たとき(3巻)の説明通りの描写と考えられる。

3巻
(カバー表紙)・・・愛梨と悟。なぜかガードレールが歪んでいる。これも、現時点ではこのシチュエーションはない。
(本体表紙)・・・愛梨の後姿。ガードレールは歪んでいない。悟の不在。これは、悟の消滅を意味している。おそらく過去の再上映の試練に失敗して悟が殺害されれば、当然未来の悟も消滅し、タイトルの通り(「僕だけがいない街」)になることを暗示している。または、悟は「再上映」の過去編で犯人と刺し違える形で死亡(消滅?)し、事件は起こらず被害者は生き残るが、「僕だけがいない」ラストになるかもしれないことを暗示しているのかもしれない。

4巻
(カバー表紙)・・・悟と加代がバスの中にいる。カップラーメンが置かれている。2回目の犯行道具がぶちまけられている。漫画では犯行道具が見つかった時にすぐ撤収しているので、このシチュエーションはない。
(本体表紙)・・・加代の不在。これも加代の救出に失敗した世界を暗示している?
     
 全体的に言えるのは、

カバー表紙・・・2~4巻の表紙は漫画のシチュエーションを再現しているように見せて微妙にシチュエーションが違います(1巻はなんともいえませんが)。あったかもしれない別のシチュエーションを描写しているのか?あるいは、今後の再上映で悟に訪れるであろうバージョンを暗示しているのか?どちらでしょうか?

本体表紙・・・悟が再上映の試練に失敗した時の世界を暗示しているものと思われます。

 

Q2 ケンヤって何者?
A2 ケンヤは子供にしては勘が良すぎ、なぜか事情を色々知っています。おそらく彼も「再上映」している可能性が考えられます。「現代編」でもケンヤは協力者として登場するのでしょうか?

 

Q3 なぜ、ケンヤは「ま・・・そうか」「悟は(文集を)読まないよな・・・」と言ったのか?
A3 ① 悟の書いた文集の内容が、今後の鍵になるのでしょう。
   ② あるいはもしかしたら、悟は実は文集を書いていないのかもしれませんね。なぜ、悟が文集を書いていないのかというのが今後の鍵になるのかもしれません。

 

Q4 悟の手袋はどこへ行った?
A4 加代が盗んだのかなと思われます。同じ片親育ちであるが母親から愛されている(と思われる)悟のことが羨ましく憎らしかったのだと思います。その反発が悟の手袋を盗んで燃やす行為につながっています。また、その罪の意識が誕生日のプレゼントに悟に手編みの手袋を贈ろうとする行為につながります。

 

Q5 給食費はどこへ行った?
A5 おそらく加代が盗みました。しかし、給食費が盗まれたら騒ぎになることは分かりますので、お金が欲しかった訳ではなく、悟が給食費を盗まれたときにどんな反応をするのかが見たかったのだと思います。

 

*5巻の感想を以下に書きました。(ネタバレですのでご注意願います。)↓

☆『僕だけがいない街』5巻 感想・考察(ネタバレです)